へたれ息子①

彼女は、昔は、自分のスタイルの良さを鼻にかけていた。

別に、自慢ならいいのだ。

私はそれ、素直に聞ける性質だ。

だって、明らかにスタイルがよいのだ。

本人が自覚して、自慢に思ってないほうがおかしいと思う。

でも、このヒトは、他人をこき下ろして自分を上げる。

つまり、目の前にいるのが私だと、まず、私の体形をこき下ろす。

私なんかと比較して、勝って、喜んでいるのが不思議だった。

いちいち言わなくても、二人のスタイルの差なんて、一目瞭然じゃないか。

もっとスタイルの良いヒトと比較して喜べばいいのに。

そう、ずっと思ってた。

それほど自慢の体形を、今は見るも無残に崩している。

尋常じゃないくらい肥えている。


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