恋に焦がれて迷走中

「お前最近生意気だ。」


「初めから先輩にはこんな感じですけど?」


「そうだった、殴るなよ?」


「あたりまえです。あれが最初で最後です人を殴るなんて。


 考えてみれば、あれ、図星だったから頭に来たんだな。


 ねぇ先輩、私はあの頃と変わった?」


「そうだな、何か脱力してる感じがする。


 会った時は『寄らば切る』って緊張感があったな。」


先輩はしばらく考えていたけど


あたしの手を握って


それから言いにくそうに口を開いた。


「ごめんな、岬の人生なのに俺のせいで捻じ曲げた。」


「なら、罪滅ぼしにお願い聞いて下さい。」


「おう、なんなりと言ってくれ。」


「キスして。」


< 115 / 200 >

この作品をシェア

pagetop