恋に焦がれて迷走中
「お前最近生意気だ。」
「初めから先輩にはこんな感じですけど?」
「そうだった、殴るなよ?」
「あたりまえです。あれが最初で最後です人を殴るなんて。
考えてみれば、あれ、図星だったから頭に来たんだな。
ねぇ先輩、私はあの頃と変わった?」
「そうだな、何か脱力してる感じがする。
会った時は『寄らば切る』って緊張感があったな。」
先輩はしばらく考えていたけど
あたしの手を握って
それから言いにくそうに口を開いた。
「ごめんな、岬の人生なのに俺のせいで捻じ曲げた。」
「なら、罪滅ぼしにお願い聞いて下さい。」
「おう、なんなりと言ってくれ。」
「キスして。」