恋に焦がれて迷走中

香ちゃんはさっさと大学へと出勤してしまい


あたし達は二人きりになっていた。


あたしが帰郷の準備をしている後ろで先輩は腕を組んでみていた。


「先輩大丈夫だから。帰ってください。」


「駅まで送る。」


長谷川は頑なに譲らなかった。



「やっぱり帰るのか?実家。」


「うん、帰らないとうるさそうだから。


 8月はバイトも入れたしこっちで過すつもり。」


「行かせたくないな。」


後ろからから長谷川があたしをギュウっと抱きしめる


背中に昨日の夜感じた温もりと心臓の音を感じて


あたしは、動けなくなる。



< 127 / 200 >

この作品をシェア

pagetop