恋に焦がれて迷走中
ママの買い物を頼まれて近くのス-パ-に買い物に来ていた。


車の多い群馬では、校外型のお店が多く、


近くにあるス-パ-はコンビニをちょっと大きくした程度の小規模な店だけど


あたしにとっては高校までの思いでの詰まった大切な場所。


「やあ、岬ちゃんこっちに帰っているのかい?」

「はい、ちょっとだけいます。」


店主のおじさんはあたしの事を可愛がってくれて良く色々おまけをしてくれた。


「そういや、悠斗君もさっき来てたよ。会わなかったかい?」


私は、あいまいな笑顔を作って。会釈して店を出た。


そっか悠斗、近くにいるんだなあ、


でもあたし達は会えない。そんな関係なんだと寂しく思った。


顔を上げて歩き出す。


あたしは歩き出せる。


あたしにくれた長谷川の温もりと想いを思い出して。


足を蹴り上げて走り出した。


振り向かないように。



だからその時


振り向いたら悠斗がいたことには気がつかなかった。





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