恋に焦がれて迷走中
あたしは意地になっていた。

悠斗の腕に指を絡めて。


「悠斗会いたかった。御馳走もいっぱい用意したんだ。」

と言って、キスをした。

「ん」

驚いた悠斗の口にさらに深く口づける。

ぐっと胸を押されて、


「どうしたの岬らしくないよ?」


そういう悠斗の目は困惑していた。


泳いだその目が彼女に向かうのを見逃せなかった。

それに、あたしは切れた!!!!


「らしくないってどういうこと?」


「悠斗こそ、らしくないじゃないこんな小細工して


 別れたいなら別れたいって言えばいいだけでしょ。


 次の彼女になる人をわざわざ見せに連れてくるなんて


 そんな酷いこと、前の悠斗なら絶対しなかったでしょ?


 悠斗はいったい何がしたいのよ?」




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