純血交愛



「たぶん、だけど…俺は麗たちの両親に似てるし…言われただろ?祈は母さんにそっくりだって。信も母さんにそっくり…」



そう言いながら、四枚の写真をテーブルに置き始めた。



『っ、』


「ほんまや!俺…祈の両親にめっちゃ似てるやん!ならこれが…ほんまのおとんとおかんか!」


そっくり…信君の両親にお兄ちゃん…そっくりだ。



『っ、ひっ…』

「泣くなよ…祈。」

『だって…』



お兄ちゃんが他人だって、突きつけられた現実。悲しい…お父さんとお母さんが本当は違うってー。



辛いに決まってる。


なのに、明るく振る舞う信君にお兄ちゃん。



『ごめっ、ごめんなさっ』


私だったらよかったのに…なんて思ってしまった。





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