純血交愛
「俺の名前知ってて俺が知らんの不公平やん…なんて名前なん?」
電車に乗って窓側をキープ。
私が潰されないように隣に立って、周りのサラリーマンや学生から守ってくれる堀田さん。
優しいなぁ。
『私は堀井祈です!』
「祈ちゃんか…」
『呼び捨てで大丈夫ですよ?』
「なら、祈って呼ぶな?俺もノブでいい
よ!」
『だったら、ノブ君って呼びますね!』
「敬語いらんから!ほんま!同い年やろ?」
『あ…うん、じゃぁ…そうする!』
「うん、友達なりたいって思ってん!なんか知らんけどな…あ!この子!って感じ。」
『え?』
「ナンパやないで?純粋に友達。」
その笑顔に嘘偽りはない。
本当に本心で私と友達になりたいって思ってくれたんだ…そう思う笑顔だった。