遠い窓

第二節

「引っ越し?」

石田家と対面した次の日曜だった。
話はまた突然やってきた。

「そう。明後日には石田さんが迎えにきてくれるって。」

母さんは何事もないような顔でそう言った。
あの日以来、強さが増した気がする。

余計に厄介だけど。

「で?荷物をまとめろと?」

「仕方ないじゃない。早い方が気持ちも楽よ。」

全然楽じゃないっつの。
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