見える朔と見えない太陽


―――ピピピピピッ

また、今日が始まった。


焦げ茶色に染めた
緩いウェーブのかかった
髪をかきむしりながら
私はリビングに向かった。


『あら、おはよう』


「ん。はよ」


母の胸からでるリボンは
今日も真っ白で、そして
まっすぐ父に繋がっている。




今にも切れそうな形状で。


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