私の恋愛説明書
辰馬side










「あいつ、さっきからずっと上の空じゃん。どうしたんだ?」

「何言ってんのお前。」

あっ!

オレってば口に出してた。

「何のこと?」

ったく。うるせーな拓海はー。

「幻聴だ。幻聴。」

「だよなあ?最近寝不足だからなー。」

お前はある意味純粋だな…。

でも沙月変だ。

宙を見たままピクリともしねぇ。

朝だって眼鏡ネタふるとヘコむし。

オレはそのとき、誰にも知らない、とても大きな何かが沙月にあるような気がして。

でも、沙月を受け止めてあげたくて。

聞いてあげたくて。

言えよ。何もいわねえからって言いたくて。

今日の授業には全然集中出来なかった。
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