私の恋愛説明書
辺りを見回すと、教室には辰馬とわたししかいない。
どうしよう。
「受け止めるよ。」
え?
ガタっと音をたて、辰馬がわたしの前の椅子に座った。
「なんか、辛いことがあったんだろ?今日の沙月、すっげえ暗いよ。みりゃ分かる。オレ、何もいわねえから。ただ、知りてえだけ。話してみ?」
胸が熱くなった。
ずっとこの言葉を待っていた。
この気持ちを軽くしたかった。
目に熱いものがたまって、こぼれ落ちた。
「っ…。辰馬っ…っく。聞いてっ…。っあ…のね…」
「聞くよ。ゆっくりでいいから。」
わたしはゆっくりと口を開いた。