私の恋愛説明書
ひとすじの光
目の前には、黙って話を聞いてくれていた辰馬の姿があった。
「な?大丈夫!」
周りを見渡すと、レンズ越しとはまた違う景色が広がっていた。
万華鏡を覗く方ではなく、覗かれるキラキラしたものに触れるような感覚がした。
真っ黒な世界だったのに、
白い光が照らすようにレンズの傷が見えなくなり、
くっきりと鮮明で、眩しい世界が見えたような気がした。
そんな光を照らしてくれた。
わたしの太陽になってくれた。
辰馬…。
今、わたしが君に言わなければならない言葉。
それは
「ありがとっ…!」