“運命の赤い糸”


ヒロキと別れたことを、トモヤやミユキに報告した。


「別れた…?」

「…うん」


ファーストフード店に入って、心を落ち着かせてから言った。


「サクラの…せい?」


ミユキが泣きそうな声で問いかけた。

あたしは小さく頷いた。


「あたし…サクラが許せないんだけど」


怒りで震えた声でミユキが言った。

あたしのことで怒ってくれてる。

それだけで充分だった。


「ミユキ…サクラには何もしないでね…気持ちだけで充分だから」


あたしがそう言うと、ミユキは怒っていた表情を元に戻した。


「サクラからは、まだ嫌がらせ続いてる?」


トモヤが様子をうかがうように問いかけた。

あたしは首を横に振った。




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