“運命の赤い糸”
俺は男に近付いた。


「おい」


自然と、怖くなかった。

俺の怒りは、最高潮まで達していた。


「ああ？なんだよ、お前」

「そのヒロキとサクラの話、聞かせてくんない？」


男を睨みつけて言った。

すると男は、口元に不敵な笑みを浮かべて、すんなりと話し始めた。


男から聞いた話はこうだった。

ヒロキとサクラが付き合い始めたのは、中学３年の夏。

ヒロキから告白して付き合い始めたと、以前ヒロキ本人から聞いていた。

サクラは昔から男付き合いが激しく、誰とでも付き合っていた。

ヒロキもたまたま彼氏のいない時に告白してきたから付き合っただけ。

だけど、自分にぞっこんなヒロキを、手放す気はなかった。


サクラは、ヒロキのことを“オモチャ”として扱っていた。




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