“運命の赤い糸”
あっさりと認めるサクラ。


「ヒロキのこと、遊びだったんだよな?」

「ええ、遊びだったわ」

「じゃあなんでヒロキと別れようとしなかった?」


ヒロキが別れ話を持ちかけた時、サクラはなかなか別れようとしなかった。

ただプライドが高いからだけか?


「ヒロキはね、本当にあたしにぞっこんだった。気持ちいいくらいにね。あたしのためだったら、何でもやってくれた」


ゆっくりと歩きながら話すサクラ。

昔のことでも思い出してるのか、目線は空を見上げていた。


「だけど、そんなヒロキが、あたしに“別れて”って言ってきたのよ?許せなかった。ヒロキと別れる時は、あたしがヒロキを捨てる時だったのよ」


平然と言うサクラに、俺はめまいがしそうになった。

捨てる時?

ヒロキを完全に“モノ”として考えてる。

考えがおかしすぎる。




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