“運命の赤い糸”
そのまま下を向くヒロキ。

サクラは依然として笑みを浮かべたまま。

そんな2人を心配そうに見つめる俺。


「サクラ‥‥」


ヒロキが静かに名前を呼んだ。


「なに?」


変わらぬ声でサクラは返事をした。


「お前、本気で人を好きになったことってねーの?」


ヒロキが悲しそうな声で言った。

下を向いていて顔は見えないけど、多分悲しさで歪んでいるだろう。


「本気で人を好きになったこと?」

「そう」

「人を本気で好きになってどうするの?」

「‥‥‥は?」




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