“運命の赤い糸”
「俺だけならまだいいよ‥けど、こいつはナオまで傷付けて!もう黙ってらんねーよ!!」


ヒロキの怒りはもう、止められるものではなかった。


大切な人を傷付けられるつらさは、俺もよく分かる。


元カノのナツミと別れた原因も、ナツミに対するいじめだった。

俺に振られた女子生徒が、腹いせにナツミを傷付けた。

それで俺たちは別れた。

だからヒロキの気持ちは本当によく分かる。


それに、ナオは俺にとっても大切な友達だ。

ナオを傷付けたのは、俺も許せない。


だけど、ヒロキにはサクラを殴って欲しくなかった。

こんなやつでも一度は愛した女。

そんな相手を殴らせるようなことは、させたくなかった。




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