“運命の赤い糸”
「ヒロキ!やめて!サクラを殴らないで!」


あたしは必死にヒロキに向かって叫んだ。

だけど、よほど頭に血が昇っているのか、ヒロキの耳には届いていない。


ヒロキはついに、トモヤの腕から逃れ、サクラに襲いかかった。


「ヒロキ!!」


トモヤが叫んだ瞬間、サクラとヒロキは地面に倒れ込んだ。

サクラの髪の毛を掴むヒロキ。

痛さのせいか、サクラは顔を歪めていた。


「お前‥自分が何やったのか分かってんのか?」

「ヒロキ‥離して‥‥」

「なぁ!分かってんのかよ!!」


ヒロキは思い切りサクラに向かって怒鳴りつけた。




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