“運命の赤い糸”
救急車に乗っている間ずっと、俺はナオの手を握りしめていた。

自然と涙が溢れ出した。


目を固く閉ざすナオ。

ナオ‥お願い‥‥開けて‥‥


トモヤもサクラも、何も喋らなかった。

機械の音と救急隊員の声だけが、車内に響いていた。


ナオの手を強く握って、涙でぼやける視界を必死に拭った。


ナオ‥‥

ごめんな‥‥

苦しませてごめん‥‥


それでも俺は、お前が好きなんだよ。

ずっとお前といたいんだよ。


だから‥

目開けてよ‥‥




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