“運命の赤い糸”
病院に着くと、ナオはそのまま手術室に運ばれた。


“手術中”の赤いランプが灯ると、俺は気が抜けたようにその場に座り込んだ。


「ヒロキ!」


トモヤが俺に駆け寄った。


「大丈夫か?」


俺は黙って頷いた。

トモヤは、俺を立ち上がらせると、近くにあった椅子に座らせた。

近くでサクラが気まずそうに視線を背けて立っていた。


俺はただずっと、手術中のランプを見つめていた。


ナオが、目を覚ますことを信じて。




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