“運命の赤い糸”
数十分後、バタバタと足音を立てて、2人の男女が現れた。


「ナオはっ!?」


息を切らしながら、その女の人が問いかけた。

どうやら、ナオの両親らしい。


「今‥‥中に」


手術室を指差しながらトモヤが言った。

その言葉を聞いたナオの母親は、祈るように手を合わせた。


「あの‥‥」


俺は、ナオの両親の前に行って声をかけた。


「あなた‥もしかして、ヒロキ君?」

「えっ‥‥‥あっ、はい」


母親に問いかけられ、俺は戸惑いながらも返事をした。


会ったこともないのに、どうして俺の名前を知ってるんだろう?




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