“運命の赤い糸”
「ナオに似合うと思って買ってきたんだ。ナオの笑顔はひまわりみたい」


そう言って俺は、ナオの頬に手を置いた。


―温かい。


ナオの温もりが、そこにあった。

ナオはここにいるんだって、証。

意識だけが、ここにない。


ナオ。

どこにいる?

教えてくれたら、俺はそこまで迎えに行くのに。


無理だと分かってはいても、そう思ってしまう自分がいる。




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