“運命の赤い糸”
ミユキの目線は、枕元のひまわりへと向いた。


「ひまわり‥‥」

「ああ‥ナオに似合うと思って買ってきたんだ」


俺がそう言うと、ミユキは微笑みながら言った。


「ナオね、花の中で1番ひまわりが好きだって言ってた。ひまわり見ると前向きになれるって」


ミユキがあまりに優しい顔で言うから、俺も自然に優しい顔になった。

ナオに似合うと思って買ってきた花。

それがナオの1番好きな花だったなんて。


そんな些細なことが

俺は嬉しかった。




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