“運命の赤い糸”
俺は毎日病院に通った。

ナオの手を握りしめて、いろんな話をした。

ナオの意識が戻ってくるように、ずっと話しかけた。


眠り続けるナオを見て、話が途切れることもあった。

ナオは本当に目を覚ますのか?

そんな思いが頭をよぎって、何も喋れなくなることもあった。


それでも俺は、自分ができる限り、ナオに呼びかけた。


毎日ナオの病室に通って、手を握りながら話しかけることしか、俺にはできなかった。




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