“運命の赤い糸”
サクラはナオの前に出た。

ナオの顔は一瞬強張った。

けれどサクラは、必死に涙を拭いながら言った。


「目、覚めて‥‥本当に‥良かった」

「サク‥ラ‥?」


不思議そうにナオはサクラを見つめていた。


サクラはナオに思い切り頭を下げた。


「ごめんなさい!」

「サクラ‥?」

「あたし、間違ってるってやっと気付いたの。許してもらえないと思うけど、謝りたくて」


下を向きながらサクラは言った。

ナオの反応が、少し怖いみたいだった。




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