“運命の赤い糸”
あたしは教室に入る。
まだ人は少ないけれど、前の方の席では男子がたまっていた。
それを見てハッと気付く。
そういえば、この男子の集団の中に、時たまヒロキもいたっけ。
あまり気にしてなかったけど、あたしはヒロキの姿を前から見ていた。
だけど、そんなに興味を持っていなかったから、
昨日までヒロキの存在を知らなかった。
どっちみちあたしとヒロキは、教室がどうとか、そういう問題じゃない。
あたしは自分の席に座る。
鞄の中から教科書などを出していると、嬉しそうにミユキが飛んできた。
「ナオー!! おはよー!!」