“運命の赤い糸”


「言いにくいけどさ……ヒロキ、彼女いるよ」


放課後、

トモヤにいきなり呼び出され、あたしは誰もいない廊下に向かった。

気まずそうな顔で待つトモヤ。


トモヤの隣にもたれかかると、トモヤは下を向いたまま言いにくそうに呟いた。


「6組の、野川サクラ。中学の時から付き合ってるらしい」


トモヤはそう言うと、あたしから視線を外した。


6組。

校舎が違うから知らなかった。

ヒロキと一緒にいるところなんて見たことないし。


あたしは胸が締め付けられた。

テルに彼女がいるって分かった時、ミユキもこんな気持ちだったのかな?

頭が真っ白になって、何も考えられない。




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