“運命の赤い糸”
あたしは壁から離れると、トモヤの方を向いた。
トモヤは不思議そうな目であたしを見ていた。
「トモヤ…あたし彼女なんかに負けないから!」
「ナオ?」
「彼女が何? そんなのあたしには関係ない。だって好きなんだもん。
あたし頑張るから!」
あたしは強い意志を、トモヤにぶつけた。
彼女がいたってかまわない。
だって、元々ヒロキはあたしのこと想っていない。
彼女がいたってなんだって、あたしに振り向かせるだけ。
「でも…俺1回彼女見たけど、彼女手ごわそうだったぞ?」
「それでも大丈夫!
だってあたし、ヒロキが好きでたまらないんだもん。彼女がいるからって諦めたくない」
あたしがそう言うと、トモヤは微笑みながら力強く頷いた。
せっかくした恋。
絶対に諦めたくない。