“運命の赤い糸”
4.転校
ヒロキの彼女の存在を知ってから、胸が苦しくて。
ヒロキと話をしていても、サクラのことばっか気になって。
あれからもずっと、サクラから
『諦めろ』
『ヒロキに近付くな』
こんなことばかり言われてる。
彼女なんだから、あたしのことなんか気にしなかったらいいのに。
ヒロキはあんなにサクラのことが好きなんだもん。
いくらあたしがヒロキと仲良くしたって、ヒロキの想いはあたしには向かないんだから。
ヒロキを好きすぎて、つらくなる。
サクラの存在が、うらやましくなったり、時には妬ましく思ったり。
ヒロキに愛されるサクラに、なりたくてたまらなかった。