“運命の赤い糸”
ある日の放課後。
あたしはトモヤのクラスを覗いた。
ヒロキとサクラが一緒にいるかもって思ったけど、気にしないことにした。
初めて行く3組の教室。
何もかもが新鮮で、緊張してきた。
後ろの入り口から教室内を覗くと、チラホラ帰る準備をしている生徒たち。
あたしはキョロキョロと見渡してトモヤを探した。
すると、その時。
「あれ? ナオ?」
声のする方を見ると、ドアのすぐ近くの席にヒロキが座っていた。
「ヒロキ?」
あたしの鼓動は速くなっていた。
ヒロキの顔を見ると、胸がきゅーっと締め付けられる。