“運命の赤い糸”
「何やってんの? トモヤ?」
「う、うん」
自然に話しかけてくるヒロキに、あたしは戸惑いながらも返事をする。
動揺してるのはあたしだけ。
そんなの分かってる。
だってヒロキにとって、あたしはただの女友達。
それ以上の感情なんてない。
あたしはトモヤを呼ぶこともなく、そのままそこにいた。
ヒロキも席に座ったまま、ずっとあたしを見ていた。
緊張して何も言うことができない。
その時、ヒロキが口を開いた。
「ナオってさ、トモヤと付き合ってんの?」
「え?」