“運命の赤い糸”
「おい、ナオ? 大丈夫か?」
泣き出すあたしに、トモヤは優しく手を差し伸べてくれた。
あたしの涙を拭って、頭をポンポンって撫でてくれた。
トモヤにはいつも助けてもらってばっかだね。
感謝してもしきれないよ。
あたしは誰もいない階段に、トモヤと腰を下ろした。
廊下であたしを見かけたミユキとテルも心配して来てくれた。
あたしは涙がやっと止まって、大きく深呼吸するとゆっくり口を開いた。
「いきなり泣いてごめんね…」
「別に謝らなくていいから。どうして泣いたのか話せるか?」
トモヤが優しくあたしに問いかけた。