“運命の赤い糸”


「なぁ、それでナオが落ち込むことないんじゃねーの?」

「テル…?」


それまで黙っていたテルが口を開いた。


「好きな人に彼女いて、何もできないなんて当たり前だろ? よっぽど根性のあるやつじゃねーとアタックなんてできねーよ。
しかも、ヒロキの彼女の性格的にはナオみたいになるのが普通だと思うけど?」


テルの励ましに、あたしはまた泣きそうになった。


テルとは同じクラスだけど、そんなに仲良いわけじゃない。

ミユキの彼氏じゃない限り、話す機会なんてなかった。

なのにあたしを思って言ってくれてる。


トモヤもミユキも、あたしのために親身になってくれてる。

涙が出そうになるぐらい嬉しかったんだ。




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