“運命の赤い糸”


「とりあえずサクラのことは無視だよ!
人に言われたって諦められないのが恋なんだから」


ミユキの言葉にあたしは大きく頷いた。

サクラに何を言われても無視しよう。

誰になんて言われたって、あたしはヒロキが好き。


恋は自由だもん。

あたし自分の思うままに、ヒロキを好きでいるんだ。



そう決めたのに。

どうして?


あたしは自分の耳を疑った。


「知らない人もいるかもしれないが、3組の早瀬ヒロキが転校しました」


ヒロキが……転校?

昨日までは普通に学校来てたのに。


いつものようにあたしに『ばいばい』って手を振って、笑顔で帰っていったのに。


まだ入学して2ヶ月だよ?

どうして転校なんて……




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