“運命の赤い糸”
ヒロキの転校がきっかけで、あたしとヒロキの距離は、前よりもあいた。
ただの親の転勤なら、普通にメールだってできるのに。
理由が分からない上に、サクラの意味深な言葉。
怖くてメールなんて送れない。
ヒロキからもメールはこなかった。
ヒロキにとってあたしは、それぐらいの存在だったんだ。
学校が変わってしまえば、赤の他人。
あたしとヒロキはそんな関係。
友達だなんて…言えない。
そんな状態で、サクラからの嫌がらせ。
あたしは精神的にいっぱいいっぱいだった。
好きな人を失った悲しさが、こんなにも重くのしかかる。
あたしは毎日涙を流した。