“運命の赤い糸”


あたしは1人で廊下を歩いていた。


友達といる時でもサクラはあたしに暴言を吐いてくる。

あたしのせいで嫌な思いをさせてるんじゃないかって思い、教室から出る時はなるべく1人でいた。


前からサクラが歩いてきた。

校舎違うのに、なんでこんなに頻繁に会うんだろう?

もうヒロキもいないのに。


もしかして、わざわざあたしに暴言吐くためだけに来てるの?

ありえない。


あたしは頭が痛くなった。


「あんたさえいなければ」


すれ違い様に、サクラが呟いた。


だからあたしが何したって言うの?

ヒロキの彼女は、そっちじゃない。

あたしなんてヒロキにとって、何でもないのに。

あたしを苦しめたって、何も変わらないよ。




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