“運命の赤い糸”


ある日、トモヤにいきなり呼び出された。

サクラに聞かれたら困るからって、わざわざ体育館裏まで向かった。

サクラに聞かれたら困る話って、もしかしてヒロキのこと?


あたしはドキドキしながらも、トモヤのあとをついていった。


きれいな場所に腰を下ろすと、トモヤは真剣な顔であたしを見た。


「ナオ、今から言う話、驚かずに聞いてな?」


いつもと違う表情のトモヤに、あたしは戸惑いながらも頷いた。

いい話?

それとも、悪い話?

それさえ分からなくて、あたしはドキドキしていた。


「この前ヒロキから電話きて、転校した理由とか、全部話してくれたんだ」


ヒロキが転校した理由…?


ずっと気になっていた。

それが今、明らかになるんだね。

どう見ても不自然なヒロキの転校。

やっと理由が分かる。




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