“運命の赤い糸”
6.優しい嘘
週末。
あたしは新幹線に乗っていた。
もちろん、ヒロキに会いに行くため。
コツコツと貯金してて良かった。
なんとか交通費は足りた。
ヒロキは今、北の方の寒い地域にいる。
今は夏だからまだマシだけど、冬になったらものすごい量の雪が降る。
そんなところにヒロキはいる。
新幹線の中でいろいろ考えていた。
1番に考えたのはサクラの、
『あんたのせいでヒロキは転校した』
って言葉。
サクラは、
『あたしがいたからヒロキと別れることになった』
って言いたいんだよね。
でも、ヒロキを転校に追いやったのはサクラでしょ?
たとえ別れた原因があたしだとしても、転校はあたしのせいじゃない。
責任転嫁もいいところ。