“運命の赤い糸”
意外だった。
トモヤは見た目も良く、背も高くて、なんたっていい人。
彼女の1人や2人いそうなのに。
「そういえばテル君って彼女いないの?」
「テル?
あー…テルなぁー…」
ミユキがいくらテルを好きでも、テルに彼女がいたら話は始まらない。
だから思い切ってトモヤに聞いてみた。
だけどトモヤは意味深な反応をした。
「何かあるの?」
あたしは恐る恐る聞いた。
トモヤは前を見ながら気まずそうに答えた。
「テルな、他校に彼女いるんだよ」
「えっ? 彼女…?」
あたしは固まったように返す。
テルを想って幸せそうな顔のミユキ。
多分彼女の存在は知らないのだろう。
あたしはミユキを思うと、やり切れない思いにかられた。