“運命の赤い糸”
学校に…行きたくない。
行ったってヒロキはいないのに、どうしてあたしは学校に行かなくちゃいけないの?
そんな思いが、頭の中に駆け巡った。
だけど、登校拒否になんてなりたくなかった。
サクラに負ける気がしたから。
あたしは何も悪くないのに、負けたくなんかない。
サクラの嫌がらせと戦いながら、ヒロキを忘れようとしているあたしを見て、トモヤが口を開いた。
前と同じように、体育館裏に腰を下ろす。
あたしはずっと下を向いていた。
トモヤが言いたいことは分かってる。
『無理して忘れんな』
そう言いたいんでしょ?
だけど、届かない想いなんて、あるだけ無駄。
届かないなら消えてほしい。