“運命の赤い糸”
「ミユキには言ってないんだよね?」
「うん…なんか、ミユキの顔見てると言いづらくてさ。
やっぱ言った方がいいよな」
落ち込んだような顔をして、トモヤは呟いた。
「言った方がいいかもしれないけど言えないよね…」
あたしたちがそうやって下を向いていると、トイレからミユキが出てきた。
「おまたせ~!!」
笑顔のミユキ。
テルと一緒に遊べるのが嬉しいのだろう。
あたしとトモヤは、落ち込んだままの顔でミユキを見た。
「なになに?
なんでそんな落ち込んでんの?」
何も知らないミユキは、あたしたち2人の顔を交互に見渡す。
あたしは余計なことを考えるのをやめ、笑顔を作った。
「ううん、何でもないっ!
それよりテル君まだかなぁ?」
「そういえば遅いね!
教室にいないのー?」