“運命の赤い糸”
8.本当の気持ち
週末になり、あたしはまたヒロキの元に向かっていた。
あれから2週間。
ヒロキが転校してから…1ヶ月が経った。
今では学校内は、ヒロキがいないのが当たり前になってて。
むしろ、最初からいなかったかのような雰囲気。
ヒロキは確かにいたのに。
たった2ヶ月だけど、あたしたちと一緒に、あの学校の生徒としていたのに。
駅で降りて、ヒロキの家へと向かう。
前に一度来たから、そんなに時間はかからずに行けた。
インターホンを押す手が妙に汗ばんだ。
ヒロキに…会えるんだ。
今度は嘘を言われても逃げない。
ちゃんとヒロキの想いを知りたいから。
あたしは意を決して、インターホンを押した。