“運命の赤い糸”


あたしは泣きながらヒロキに言った。

本当にヒロキに彼女がいるのなら、あたしは祝福するよ?

好きな人の幸せ祝えないほど、最悪な女じゃない。

だけど、ヒロキはあたしの目を見て言えない。


それは嘘ついてる証拠。


「ナオ……」


ヒロキがあたしの名前を呼ぶ。

こんな時でさえ、あたしの名前を呼ぶヒロキの声が、愛しく感じる。


「ヒロキっ……早く…あたしの目見て言ってよ…」


あたしは涙を拭いながら必死にヒロキを見た。

それでも溢れてくる涙のせいで、視界がぼやけた。


次の瞬間、

ヒロキがあたしを抱きしめた。




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