“運命の赤い糸”


あたしたちはヒロキの部屋に移動して、手を握り合って座った。

ヒロキの肩に頭を乗せて。

微笑みながら見上げると、ヒロキも笑顔だった。

ヒロキに出会えて良かった。

好きになって良かった。


「ねぇ、ヒロキ。なんで彼女いるなんて嘘ついたの?」


あたしはヒロキのついた嘘について、恐る恐る問いかけた。


「ん? ああ……
サクラとの話は全部トモヤに聞いたんだよな?」

「え? うん…」


なんでこんな時にサクラの名前が出てくるんだろう?

何か関係があるの?


「俺さ、ナオがずっとサクラに嫌がらせされてるの知ってたんだ」

「えっ……」


ヒロキ、知ってたんだ…

ヒロキには知られたくなかったのに。

でも、なんで知ってるの?




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