“運命の赤い糸”
発車のベルが鳴って、あたしたちは名残惜しくも離れた。
「じゃあ…行くね」
あたしはヒロキから離れ、新幹線に乗り込んだ。
ヒロキの顔が、見れなかった。
泣いちゃうから。
ヒロキに会えなくなるのが寂しくて、泣いちゃうから。
あたしはヒロキなしじゃ、ダメなの。
弱いあたしのまま。
「ナオ!」
ヒロキの声がして、あたしは振り返った。
ホームのギリギリまでヒロキは出てきて、あたしに向かって言った。
「電話、するから! メールも、手紙だって書く! 会いにも行く!
離れても、俺たちは1人じゃないから!」
必死に叫ぶヒロキを見て、あたしは涙が止まらなかった。
やっぱりあたし、ヒロキのそばにいたいよ。
涙で視界がぼやけながらも、必死にヒロキを見つめた。
好きだよ、大好きだよ。
ヒロキがあたしの全てだよ。