“運命の赤い糸”


ドアが閉まり、車体が動き始めた。

だんだん遠くなるヒロキ。

あたしは見えなくなるまでヒロキを見つめた。


見えなくなってからは、その場にうずくまって泣いた。


ヒロキのそばにいたいよ。

できることなら、今すぐヒロキのそばにいきたい。

ずっとずっと、隣で笑っていたい。


地元に着いた頃には、外は真っ暗になっていて。

駅に降りて、電車を待った。

涙はすっかり止まっていた。


これからは、ヒロキはそばにはいないけれど、心は繋がってる。

寂しくて泣くこともあるかもしれないけど、それでも想いは伝わったから。

ヒロキの想いだけで、あたしは強くなれる。




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