“運命の赤い糸”


それからのあたしは、本当に毎日が幸せで。

相変わらずサクラからの嫌がらせは続いているけど、別につらくなんてない。


毎日かかってくるヒロキからの電話が、あたしの元気の源になった。

電話代のことも考えて、毎日たったの1時間だけど、それだけでもあたしは幸せだった。


「ナーオっ! 今日遊び行かな~い?」


放課後、SHが終わると同時にミユキが飛んできた。


「ああー…ごめんっ! やめとく!」

「ええー!? ナオ最近付き合い悪いよぉ。
何でそんなに急いで帰ってんの?」


拗ねながらミユキが問いかけた。


「んーとね…ヒロキからの電話、待ってるの」


恥ずかしくて、少し小声になった。


「あっ、そっかぁ。じゃあ今度遊ぼうね!」


そう言ってミユキは、笑顔でテルのところに飛んでいった。

ごめんね、ミユキ。

ミユキを見ると、テルといてすごく幸せそうだった。

そんな2人が少し羨ましくも思った。




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