おっさんと女子高生
日曜日の朝。仕事は休みのため昼間で寝るつもりだったのに、2日ぶりに来たヤツに起こされた。馬乗りにされて。
眠くて無視していたら、布団に侵入してきやがった。
「おい、嬢ちゃん。邪魔だよ。そんなに添い寝したいか」
「これ、わたしの布団だもん」
「それはお前が泊まる時だけだよ」
彼女はうつ伏せになって、数日見あたらないと思っていた携帯ゲーム機を取り出した。
「それ俺の!」
「クリアしたら返す。あと少しだから」
「スゲーな。それ俺がクリア諦めたやつだぞ」
寝返りをうってゲームの画面を覗き込もうとすると、彼女が不服そうに俺を睨む。
「おっさん」
「ん?」
「おっさんのせいでかけ布団がずれた。寒い」
「申し訳ありませんね、お嬢様」
彼女の体に布団をかけ直してやって、あ、と思った。今、男女が同じ布団で寝てるのか。
「嬢ちゃんさ」
「なに」
「嫌じゃないのか?」
「何が?」
画面から目を離して俺を不思議そうに見つめてくるので、俺は戸惑い視線を外した。
「知らない男の家に来るのが」
「………別に、わたしおっさん好きだもん」
「これが枯れ專というやつか」
「…………」
彼女は無言で俺の頬をつねって、またゲームの画面を見る。