おっさんと女子高生
「おめぇーさんよぉ」
「なんすか社長」
俺はトラックの運転手をしていて、長距離の仕事を終えて帰りに事務所に寄った時だった。
事務机に膝をついて耳掻きしていた初老の社長が、ニヤニヤしながら言った。
「やぁーっとガールフレンドができたんかぁ?良かったなぁ」
「………ハ?」
その時の顔は今までで一番間抜けな顔だっただろう。ガールフレンドなんて、そんなもの身に覚えがない。
「とぼけるなよ。同棲してるんだろ」
「………してませんよ」
同棲……と言われると心当たりがないことはない。ヤツとは同棲してるようなものだ。
「背の低い童顔の女子高生がな、お前のアパートに入ってくのを見た奴がいるんだよ。手にな、スーパーの袋持ってたってよ」
やっぱり……どう言っても言い訳になりそうで、俺は唇を噛んだ。
「おめぇーさん、未成年といかがわしいことしたら捕まんぞ」
「してねぇっす!極めて清い関係ですよ!まずアイツは妹みたいなもんで、彼女じゃない」
社長は探るような目をみて俺をじっと見てくる。腑に落ちなかったが、俺はそそくさと事務所を後にした。