おっさんと女子高生

「嬢ちゃん、いつ来た。なんで俺の上で寝てんだ」
「いちいちうるさいおっさんだなー。おやすみ」
「おい。寝るなら俺があっち行くから。ちょっと離れろ」

うーんと唸り、俺の上から退くかと思ったがそのまま顔を俺の鎖骨あたりに埋めて寝息をたて始める。

「邪魔だよ、嬢ちゃん、重い」
「なに?やましい事でも考えてるわけ?」
「違う。俺、寝返りが打ちてぇ」
「………腕枕してくれたら退いてあげる」
「なんかあったか。妙に甘えてくるな」
「甘えてないよ。夫婦なんだから当然のことでしょ?」
「俺ら夫婦なのか。プロポーズしたっけな」

深夜でお互い寝惚けてて、夫婦ゴッコを飽きずにやっていたら、再びまぶたが閉じてくる。

「眠い…。俺、明日早いんだ」
「お弁当いる?」
「うん」
「作るから腕枕して」
「ん」

右腕を横に出すと、腹の上の重みがなくなって、右側に温もりを感じた。

「新婚の夫婦みたいだな」
「あなた、おやすみ」
「おやすみ」

そういえば寝返りうちたいんだったっけ。そうすると彼女に抱きつく形になってしまう。

まどろみながらそう考えて、すぐ眠りに落ちた。寝返りをうったかうってないかは覚えてないが、寝起きはスッキリしていた。
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